“神が何かは知ることはできないが、それは確かにここに居る”
(ウェルギリウス アエネーイス 8 351ー2)
輝く陽は地上のすべてのいのちを生かす。
一人でいても、街の中でも、日々、大小様々ないのちと出会っている。
そんな数えきれない出会いの中で、ときおり独特な瞬間が訪れる。
たとえば舗道のわずかな土や石垣のすき間に根を張る草花を見つけたとき、
朽ちゆく木の中に草や木の小さな芽吹きを見るとき、
森という無数のいのちの中にいるとき、
そして厚い雲から太陽が現れて、ふたたび荒野を輝かせるとき、
私は深く心を動かされる。
身体の中を不思議なものが駆け抜けて、どこかわからない深みから
細胞の隅々に喜びが迸るのを感じる。
私はそれをつねに感じていたくて、そして誰かと分かちたくて言葉を探すが、
それは、言葉で捉えて固定することのできない何かなのだ。
だから私は喜びの小さなかけらを少しづつ、気長に採集することにした。
ある日ある時の陽の光と、いのちの姿を、暗い箱の中の薄いシートの上に捕らえて持ち帰り、
たっぷりの時間をかけて、それがあらわれてくれるよう準備を調える。
植物から一枚一枚漉かれた紙、鶏の卵、ミネラルを溶かした液、太陽光と水を用いて、地上のいのちと物質循環に思いを馳せながら。
見上げれば、常にうつろう空の美しさがある。
その下で長い時間をかけて連綿と続くいのちの調和が広がっている。
考えることをやめて、その背後の存在を、ただ感じ、慕う。
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CV
展覧会/
2023. 12. ☉ at Ceres Gallery チェルシー、ニューヨーク州
2022. 10-11 ・○ TeN eN at OBSERVATORY, ベルファスト、メイン州
2015. 11. Look at Me, I'm Here at Le Cabinet Illya(青山、東京)
レクチャー &作品プレゼンテーション/
2018 - レクチャー、アルビュメンプリントワークショップ
ベニントン大学(バーモント州)
2014 - レクチャー /
ベニントン大学(バーモント州)
ヴィジティングアーティスト
2022 - OBSERVATORY, Belfast, ME
2019 - Awagami factory visiting artist program
2018 - Awagami factory visiting artist program
メディア掲載/
2022 -リパブリカンジャーナル :
Completing the circle Solo exhibition'・ ◯ TeN eN was covered focusing on 'enso practice'
2017 - 福井放送局「おじゃまっTV」ニュース特集
東京大学美学芸術学科卒業
徳島出身、米国在住